すきっ歯(正中離解) 

 前歯の永久歯が生え始める小学校1~2年生ぐらいになると、「すきっ歯」に関するお問い合わせが時々あります。「すきっ歯」にはいくつかのパターンがあり、そのまま放置しても自然に直るもの、すぐに治療が必要なもの、今はそのまま経過を観察してのちに治療が必要なものなど様々です。

 ①    そのまま放置しても自然に直るもの

上の永久歯の前歯が4本生えた頃を『みにくいあひるの子の時期』(『Ugly ducking stage 』)と言って、「自然なすきっ歯」の時期があります。適切な顎のスペースがあって骨格の問題がない場合で、前歯4本が扇状に開いて生える場合は、犬歯がはえる時に自然に直るので心配ありません。

 ②    すぐに治療が必要なもの

すきっ歯が起こる問題になる原因がある場合には、『正中過剰歯』や『上唇小帯付着異常』などがあります。

『正中過剰歯』とは、

『正中過剰歯』があると自然にすきっ歯が治ることもありませんし、矯正で隙間を閉じることもできません。また、生えたての前歯の根はこれからも成長し完成して行きますので、早めに正中過剰歯を抜歯しなければ大事な永久歯の発育に影響が出ることもありますので、小児歯科や矯正歯科のみならず口腔外科のスキルのある歯科医院にご相談されることをお勧めします。実際、高校生ぐらいで「前歯がぐらぐらしてきた。」と言って来院された患者様で、過剰歯のために前歯の根が吸収されてしまい、抜くしかない状態だった方もいらっしゃいました。早期に発見され適切な治療を受けていれば抜かずに済むだけに残念な症例でした。

 

『上唇小帯』とは、

(上唇小帯を除去しただけで自然に好きおおあが直った症例です。)

上の真ん中の歯の間から上唇の裏に向かって伸びる筋です。

ついている位置は人によって違い、多くは歯茎の上の方についていますが、前歯の間に入り込んですきっ歯の原因になる場合もあります。上の前歯が生えても上唇小帯の位置が低い場合は取り除いた方が良いでしょう。レーザーのある歯科医院でしたら、出血せず縫合も必要なく簡単に取り除くことが出来ますし、健康保険の対象なので費用も3000円程度でできますので歯科医師に相談されることをお勧めします。

 

③    今はそのまま経過を観察してのちに治療が必要なもの

全体に顎が大きく歯が小さいため永久歯の生えるスペースが余っている場合は、根本的にスペース不足が残っている限りは直らないので、矯正治療の開始時期を待ちながら経過を観察することが重要になります。