乳歯反対咬合の自然治癒率

                       イラスト          

受け口(反対咬合)とは、上下顎前歯のかみ合わせが逆になっているもので、日本を含むアジアには比較的多く見られる不正咬合で、日本では9%の人が受け口だと言われています。

また患者本人や保護者にも容易に見つけられるため、日常臨床では早期に相談を受ける事の多い不正咬合です。しかし「3歳6ヶ月児健康診断で『前歯が生え変わるときに直る事があるので、それまでこのまま待ちましょう。』と言われた。」とか、『直るかもしれないし直らないかもしれない。』と歯医者に言われた。」などと相談される事も多く、残念ながら歯科医師の間でも良くわかっていない先生が多いのも本当です。

 

そこでお母さん方からご相談の多い「受け口(反対咬合)って前歯が生え変わるときに直りますか?」というご質問にお答えしたいと思います。

 

受け口(反対咬合)の乳歯の時期から前歯の生え変わり期にかけての傾向

(1)乳歯の奥歯が生える頃

乳臼歯が生えるまでの下顎の位置は不安定で、前後的左右的にも一時的なものと考えられ、乳市の奥歯の萌出により自然に正常被蓋に戻るものが多く見られることから、この時期は保護者への説明と経過観察のみで積極的に治療介入は行いません。

 

(2)第一大臼歯(6歳臼歯)および前歯生え変わり期

2歳で受け口(反対咬合)であったものが3歳で自然治癒するものは10%程度あるものの、3歳で受け口(反対咬合)であったもののうち前歯の生え変わりで正常に戻ったものはわずか6,4%にすぎません。

 

また前歯の生え変わりで反対咬合が自然治癒する可能性の高いものの条件としては、

①  歯のかみ合わせの反対の範囲が4本以内

②  ②前歯のかぶりのの浅いもの

③  上と下の前歯の先端同士で噛むことができるもの

④  家族・親戚の方の中に受け口の方がいらっしゃらないもの

と言われています。

 

どうでしょうか。「案外直らないんだな。」と思いませんか?

この基準を知らずに、「もしかしたら治すかもしれないって言われたから。」と矯正歯科での相談を先延ばしにするのは大切なお子さんの将来を考えるとちょっと怖いですよね。もちろん6.4%に入りそうな自然治癒しそうな患者様には、定期的に確認しながら経過を追ってゆくようにお勧めしますし、そういう患者様は比較的軽度の受け口なのでもし前歯の生え変わりで直らなくても、その後の治療で十分対応できるので大丈夫です。何はともあれ早めのご相談が重要だと思います