受け口の受診時期

受け口(反対咬合)の場合、何歳ごろ矯正歯科を受診すべきか?】

 

受け口(反対咬合)とは

                                                                            

受け口(反対咬合)とは、上下顎前歯のかみ合わせが逆になっているもので、短頭型の多い日本を含むアジアには比較的多く見られるかみ合わせの不正です。

また患者本人や保護者にも容易に見つけられるため、日常臨床では早期に相談を受ける事の多い不正咬合であるにもかかわらず、保護者からは「3歳6ヶ月児健康診断で『前歯が生え変わるときに直る事があるので、それまでこのまま待ちましょう。』と言われた。」、『永久歯が生え揃わないと矯正はできない』と言われた。」などと相談される事も多く、矯正の開始時期について、混乱を引き起こしているのも事実です.

まず結論を言いますね!

反対咬合の骨格は低年齢であれば手術なしに簡単に治療することが出来ます3歳6か月検診で指摘されたらとにかく一度、矯正をやっている歯科医師に相談してください。

決して矯正をやっていない先生に相談しないこと!!

「もっと早く診せてもらえれば歯並びだけでなくきれいな顔に骨格ごと治せたのに。」と悔しい思いをすることが多くあるからです。 

では次になぜ早期に反対咬合は治すべきなのかを説明します。

乳歯列期に治療を開始すべきだとする根拠としては、①咀嚼、嚥下、発音などの機能をその学習時期に修正しておくことが重要.②経験的に上顎前方牽引や上顎骨の側方拡大は低年齢のほうが容易である.③保護者や患者の不安や劣等感を早期に取り除く.などがあげられます。

また日本人の反対咬合の多くは下顎が大きいように見えて、実は上顎(目の下から上唇まで)が小さいと言われています。「うちの子って受け口かな?」と思っていらっしゃる保護者の方はお子さんの

①目の下にへこみがないか。

②鼻が低くて鼻の穴が見えやすくないか

を確認してください。これは上の顎(中顔面)の成長が足りない場合の特徴になります。

この小さい上顎を前方向に成長させるためには上顎の骨の成長のピークより遅れてはいけないのです。上顎骨は脳頭蓋に近いところにあるので成長パターンがScammonの臓器別発育曲
線(右図)の神経型の発達に近く、早期にピークを迎えるので、低年齢のうちに治療することによって最小限の治療で骨格自体を容易に改善することが出来ます。

またそれに対し、下顎骨は一般型の成長パターンで、思春期に成長のピークがやって来るため、正常な前歯のかみ合わせなら、先に上顎骨の成長があり下顎の成長が旺盛な思春期には下顎が上顎と咬み合う事により前方への刺激を上顎も受けながら成長して行くのに対し、反対咬合のまま上顎の成長のピークを迎えてしまうと、上顎は下顎前歯により前方への成長を妨げられ、また下顎の成長のピークには下顎の成長を抑えるものがないまま最大限成長してしまい、反対咬合はより重症化してしまうのです。永久歯の前歯の萌出期までに前歯の被蓋を正常にし、正常な成長のパターンに乗せてやる事が重要だとも言われています。

  ただ、すべての治療に例外はあり、反対咬合の患者さん全てが早期に治療すれば一生反対咬合にならないかと言ったらそうでない場合もあるのも事実です。たとえばアントニオ猪木さんを4.5歳で治したとしてもきっと思春期成長時に下顎がさらに伸びて反対咬合は再発しただろうと思われます。成長の予測は難しいので保護者の方にはその辺の可能性についてもご理解いただいた上での治療になってきます。