金属アレルギーの方が増えてきています

金属アレルギーは汗や唾液(だえき)などで金属が溶けてできた“金属イオン”が体に入り、皮膚のたんぱく質と結合し、それを体が“異物”とみなし、拒絶反応を起こしてしまうことによります。

現在でも、歯科治療には特定の金属による修復処置が含まれています。温かく、湿った環境の口の中であっても、歯科用に指定されている金属の多くは化学的に安定して溶出したりしないとされてきました。しかし、近年、歯科用金属が原因と見られるアレルギー症状が注目されるようになっています。特に、ニッケル、クロム、コバルトなど非貴金属によるアレルギーがよく見られます。(一般的に金やチタンなどは金属アレルギーを起こしにくいとされています。)また最近では、パラジウムなど多く日本の保険治療に使われてきた金属材料にもアレルギーに関連している可能性が指摘されるようになっています。パラジウムは、日本では保険診療で広く用いられていますが、ヨーロッパでは使用しないように勧告がなされています。

 お口の中にこのような金属が入っていませんか!?

~金属アレルギーとなりやすい保険の「つめもの」、「かぶせもの」~

パラジウム合金つめもの

パラジウム合金かぶせもの

 

水銀アマルガム

 金属アレルギーの怖さ

①    突然発症することが多い

大人になってから突然発症することが多く報告されるようになりました。それまで大丈夫だった人が、新しく入った歯科用金属をきっかけに発症することは良くあるので「私は金属アレルギーじゃないから大丈夫。」と言って安心することはできません。一番多いのは20歳前後でピアスの穴を開けたときに発症する人や歯の治療で今まで使っていなかった金属が口の中に入ったことをきっかけに発症する人も多くいるそうです。

②    発症してしまうと日常生活に多くの制限が起こり大変です。

いったん発症してしまうとアクセサリー、ベルト、眼鏡、化粧品などなど身近な金属を排除しなければなりません。

③    体調が悪くお困りなのに金属アレルギーが原因だと気づかないことが多くあります。

口腔内の炎症、口内炎などは分かりやすいのですが、お口から離れたところに症状が出ることが多く金属アレルギーだと気づかない患者様が多くいらっしゃいます。また金属アレルギーの症状で良く知られるのは湿疹や掌蹠嚢胞症(しょうせきのうほうしょう)のような皮膚症状ですが、頑固な肩こり、頭痛などの不定愁訴の一部も、金属アレルギーに関連した症状なのではないかと指摘されるようになってきました。

 掌蹠膿疱症とは≪公益社団法人 日本皮膚科学会ホームページより≫

  掌蹠膿疱症はウミが溜まった膿疱と呼ばれる皮疹が手のひら(手掌)や足の裏(足蹠)に数多くみられる病気で、周期的に良くなったり、悪くなったりを繰り返します。ときに、足と手のほかにスネや膝にも皮疹が出ることがあります。皮疹は小さな水ぶくれ(水疱)が生じ、次第に膿疱に変化します。その後、かさぶた(痂皮)となり、角層(皮膚の最表層にある薄い層)がはげ落ちます。後にこれらの皮疹が混じった状態になります。出始めに、よくかゆくなります。また、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節症)やその他の関節が痛くなることがあります。

 非金属を治療に使うことの少ない海外での報告は少ないのですが、日本では保険治療で用いられる歯科金属(パラジウムなど)に対するアレルギーが引き金となり掌蹠膿疱症が発症した事例が報告されています。病巣感染がないのに治りにくい場合や、金属アレルギーが疑われる場合は、パッチテスト(疑われる金属を実際に皮膚に貼り皮膚反応があるかどうか調べる検査)を受けて下さい。もし、陽性であれば、歯科の先生に相談し、陽性を示した金属が歯科金属に含まれるかどうか調べた上で、歯科金属の交換を考慮します。

外の環境と接する扁桃腺や歯、鼻などに細菌による慢性炎症があると掌蹠膿疱症が生じることがあります。私たちはこのような病変を病巣感染と呼んでいます。自覚できる症状がなくても、耳鼻科や歯科の専門の先生の診察で初めて病巣感染がみつかることもあります。

金属アレルギーの発症を予防するために…

①   金属を使わず体に害のない詰め物を使用する。

セラミックを使いメタルフリーにする。今、アレルギー症状が出ていない金属でも、唾液などの作用で金属がだんだん溶け出すことによって、将来的に症状が出ることも多いので、あらたに治療を受けるときの素材はセラミックなどの非金属にすると安心です。

②   金属アレルギーの可能性の低い金などの貴金属を使用する

ゴールドの被せものや詰め物は歯ぎしり、食いしばりがあるまたはかみ合わせの力が強い患者様にはメリットの多い治療法です。症例ごとにメタルフリーを選択するのか、貴金属での精密治療を使用するのかアドバイスさせていただきます。

メタルフリー治療例の紹介

      治療前                治療後

                

                       

              

治療前にはパラジウム合金のかぶせものやつめものが多数装着されていました。治療後はつめもの、かぶせもの、土台すべて金属の入っていないものにし、金属イオンの溶出のないメタルフリーの健康的な口腔内になりました。


≪すでに金属アレルギーの患者様≫

お口の中の金属をやり替えメタルフリーにします。

≪金属アレルギーかなと心配な方≫

 皮膚科での検査をお勧めいたします。汗を書く季節はできませんし、背中に試薬を張り、2日後、3日後、1週間後の3回判定をしなければならず、各皮膚科の休診日によって初診日の曜日が限られますので、先ず一度電話で問い合わせてから受診してください。

≪近隣で金属アレルギーのパッチテストができる病院≫

松阪市民病院     0598-23-1515

NHO三重中央医療センター     059-259-1211

三重大学医学部附属病院     059-232-1111

市立伊勢総合病院     0596-23-5111

国立病院機構三重病院     059-232-2531

医療法人 うめだ皮膚科クリニック     059-238-1233

徳田ファミリークリニック     0596-28-8425