2018.05.21義歯講習会

こんにちは、林歯科医院歯科医師の鈴木です。最近暑くなってきましたが、皆様は体調など崩されたりしてはいらっしゃらないでしょうか。

真夏ではありませんが、季節の変わり目のこの時期にも注意が必要なのが脱水です。特に高齢者の方々は口渇などのシグナルが起こりにくいので、定期的に水分摂取を心がけることをオススメします。

 

さて、先日当院の勤務医の水谷先生と共に、横浜で行われた、義歯(入れ歯)の講習会に参加してきました。今回のテーマは【印象採得】です。

印象採得とは、要するに歯科医院で行われる歯の型取りの事です。当院にお見えになる患者様の多くがこれを体験されていらっしゃると思いますが、苦手な方も多いのがこの印象採得です。印象採得に使用する印象材には様々な種類があり、もっともポピュラーなのはアルジネートと呼ばれるピンク色の材料で、海藻などに含まれる成分からできたものです。他にも寒天や精度の高いシリコーンなどの材料もあり、その時に応じて適切な材料を使い分けております。基本的な治療で用いるアルジネート印象材は、水と混ぜることでゲル状に反応し硬化する性質があり、現在日本では最もよく使用されている材料ですが、変形もある程度起こってしまうため、精度にはやや疑問が残り材料の限界と言われています。

そこで当院の精密治療では高精度で変形の少ないシリコーン印象材を使用しております。この材料は決して安価ではありませんが、高精度、変形が少ないなどの利点から、制度の高いクオリティ重視の治療においては必須であると考えております。とはいえ、それぞれに適材適所の選択が必要な印象材の世界は奥が深いものです。

今回の講習会におきましては、今後の歯科界が抱える課題やその特徴に関しても触れていました。超高齢社会となっている我が国におきまして、特に入れ歯に様々な特徴があらわれてくると言われております。入れ歯はそれを支える土手(顎堤)に支えられ、舌や頬など様々なお口の中の筋肉とのバランスを取ることで安定するものです。しかし、現在の超高齢社会におきましては、入れ歯の使用歴が長いことにより、顎堤が磨り減ってしまい、なかなか安定が難しい患者様が増えてきているのが現状です。そのため、従来の教科書的な義歯の作成方法では安定が難しく、それを補填するための様々な方法が提唱されています。

今回の講習会では、そういった難症例の患者様への対応を学んだ大変有意義なものでした。そして、合わない入れ歯が入っていることによる、オーラルフレイル(口腔機能の衰弱)も今後の課題となっているようです。今回学んだ内容はまだ第1回目でしたが、今後横浜で続けて行われる講習会にも参加する予定ですので、それも含め皆様の診療にお役立てしてきたいと思います。暑い日が続いますので、どうか皆様ご自愛ください。

 

歯科医師  鈴木 隆太郎