MATERNITY

妊婦様・生まれてくる
お子様の健康をサポート

マタニティ歯科について

マイナス1歳からのむし歯予防

妊婦さんが歯周病である場合、早産・流産・低体重児出産など出産時のトラブルと深く関わってきます。
また出産後も、周囲の大人の口内環境が悪いと、お子様のむし歯リスクが上がってしまうこともあります。
安全な出産とお子様の健康のためにも、妊娠中からお口のケアに取り組みましょう。

妊娠中の患者様へ

お口を健康にすることも出産準備の一つです

妊娠中の患者様、新しい命を授かり、自らの体内に宿す幸福を心からお祝いいたします。楽しみですね。
その反面、歯科治療については、胎児への影響をとても心配されることと思います。そんな不安や疑問を少しでも解消してもらえればと思い、胎児の発育段階による影響をご説明いたします。

妊娠中は、いつ治療を受ければいいの?

治療を行うのは安定期(妊娠中期)がおすすめです

妊娠中の口内環境の悪化は、出産時だけでなく、生まれてくるお子様にも悪影響を与えることがあります。ご自身と生まれてくるお子様のためにも、妊娠をしたら必ず歯科医院にて検診を受けるようにしましょう。
妊娠初期や妊娠後期は応急処置のみにとどめ、妊娠中期(安定期)にむし歯や歯周病の治療、お口のクリーニングを行うのが適切な時期です。

  • 妊娠初期

    4ヶ月(0~15週)まで

    つわりなどの症状がなければ治療・外科処置・麻酔は問題ありません。(局所麻酔薬は胎児に影響を与えることはまずないと考えられています)
    投薬は歯科医院では基本的に行いません。
    レントゲン撮影は歯科領域(顔を焦点)は安全であるとされていますが、緊急でなければ行いません。

  • 妊娠中期

    5〜7ヶ月(16〜27週)

    妊娠中の最も安定している時期で治療・外科処置・麻酔は問題ありません。
    投薬は歯科医院では基本的に行いません。
    レントゲン撮影は歯科領域(顔を焦点)は安全であるとされていますが、緊急でなければ行いません。

  • 妊娠後期

    8ヶ月(28~39週)以降

    子宮が大きくなり、長時間の仰向けの体勢が難しくなります。長時間仰向けになることで、妊婦さんに低血圧が起こったり、胎児への血流量の減少が起こるため注意が必要です。緊急処置が必要な場合以外は治療を行いません。
    当院では妊婦さんには、可能であれば出産予定日の2ヵ月前までに治療を終了するようにご予約をお取りします。

妊娠中の薬剤の投与時期が胎児に与える影響

4週までは流産、4週から15週は奇形、16週から分娩までは胎児に対する毒性が考えられます。
当院では、投薬は基本的に行っておりません。

妊娠中の歯磨きは、普段以上に丁寧に行いましょう

女性は、妊娠時と更年期にホルモンの量が
変化します

この女性ホルモンの分泌バランスが崩れると、歯ぐきの状態にも影響します。
特に、妊娠2ヵ月から8ヵ月の間は歯ぐきの腫れがひどくなってきます(妊娠性歯肉炎)。炎症が強くなるため歯ぐきがぶよぶよとふくらんで、指で触ったり歯ブラシの毛先があたったりすると、すぐに出血します。これは、歯周組織中に女性ホルモンのプロゲステロンやエストラジオールが増えると、歯周病菌の一種のプレボテラ・インターメディアが増え、歯ぐきの腫れがひどくなることから起こるのです。
場合によっては歯がかくれるぐらい腫れが大きくなり・妊娠腫(妊娠性エプーリエス)という状態になります。こうなると、ほとんどの人は驚いて歯科医院の門をたたくようです。
このような状態を招く背景には、もともと歯磨きを怠ったために生じた歯肉炎がありますから、治療法としては、まずその原因となったプラークや歯石を取り除けばいいわけです。子どもが生まれてホルモンのバランスが元に戻ることにより、症状が和らぐ場合もありますが、安心しないで口の中の徹底的な清掃を続けることが必要です。もちろん、普段からかかりつけの歯科医院で定期検診を受けることも大切です。

妊娠中の歯磨きは、普段以上に丁寧に磨くことが大切です

  • むし歯・歯周病

    歯磨きがしっかりできないほどの辛いつわりだったり、嘔吐による胃酸の影響で歯の表面が弱くなり、汚れが付着しやすい状態になってしまうことで、通常よりもむし歯や歯周病のリスクが高くなってしまいます。

  • 妊娠性歯肉炎

    妊娠初期のホルモンバランスの変化によって、歯ぐきの腫れや出血が生じることが多くなります。一般的な歯肉炎と同じで痛みを伴うことは少なく、症状に気が付かないまま進行してしまうことがあります。

  • 妊娠性エプーリス

    女性ホルモン増加の影響で、歯ぐきがコブのように大きく膨らんでしまうことがあります。ほとんどは良性で出産後に自然となくなる場合が多いのですが、気になる場合はお気軽にご相談ください。

こまめなケアでお口のトラブルを予防することができます

  • 唾液の分泌量が減る就寝中は、細菌が繁殖しやすい状態となります。就寝中に増えてしまった細菌を除去するためにも、起床後はすぐに歯磨きやうがいをし、むし歯や口臭を予防しましょう。また起床後すぐに限らず、就寝前、食後の歯磨きも大切です。

  • つわりが辛く歯磨きが困難な場合は、無理をせず、こまめなうがいでお口の中の汚れを洗い流しましょう。
    フッ素入りの洗口剤でさらに効果アップ。
    つわりが安定したら、いつも通りの歯磨きでお口を清潔に保ちましょう。

授乳中の患者様へ

歯科治療・外科処置・麻酔・レントゲン撮影は特に問題ありません。

内服した薬はほとんどが母乳中に移行しますが、非常に少量です。
当院では安全に使用できる薬を処方します。
授乳の間隔により予約時間を調整するため、受診前に受付にご相談ください。
お子様には生後約6ヶ月からむし歯菌は感染すると言われています。特に生後19ヶ月(1歳7ヶ月)から31ヶ月(2歳7ヶ月)の間に集中しています。主な感染経路は育児を担当するご家族からが多いと考えられているため、家族のむし歯菌の量を減らしておくことがお子様のむし歯予防に重要です。

ママのためのお薬情報

お子様の健康な
お口づくりのために

むし歯は周りの大人からお子様に
うつると言われています
いったいどういうこと
なのでしょう?

むし歯菌の感染と生活習慣によってむし歯になると考えられています

むし歯をむし歯菌の感染症と考えれば
むし歯(ミュータンス連鎖球菌)の感染症対策が必要になります。
むし歯を生活習慣病と考えれば
歯磨き習慣、食生活習慣の改善が必要になります。

むし歯はどうしてできるのでしょうか?

むし歯の主要な原因菌はミュータンス連鎖球菌、それを活性化させるのが砂糖です。その理由は?

  • むし歯菌は歯の表面に強固に付着しやすい性格があります。
  • むし歯菌は砂糖を取り込み唾液や水に溶けにくいネバネバした歯垢をつくります。
  • むし歯菌は砂糖を分解して酸を生産し、歯を溶かしてしまいます。

むし歯菌はどこから感染するのでしょうか?

むし歯菌は歯が生えていない乳児には感染しません。
むし歯菌は歯の生え始める生後6ヶ月頃から感染します。特に生後19ヶ月(1歳7ヶ月)〜31ヶ月(2歳7ヶ月)の間を「感染の窓」と呼び、この時期は感染のリスクが高まりこの時期に悪い菌が多く感染するとその菌が優位になりますし、周囲の育児に従事しているご家族の方の口腔内の状態が良好で良い菌が定着すると、その後も悪い菌が定着しにくくなります。

ミュータンス菌(むし歯菌)の母から子への感染

    • SM菌≦10³
    • 10⁴<SM菌≦10⁵
    • 10³<SM菌≦10⁴
    • 10⁵<SM菌

    CFU/ml=1mlあたりの細菌数
    10³CFU/mlは、1ml中に菌が1000個存在

    母親の口腔内のミュータンス菌が多ければ多いほど感染率が高くなっています。

    • 母親が定期的に歯科検診を受けていない
    • 母親が定期的に歯科検診を受けている

    食事指導・専門家による口腔清掃・口腔衛生指導・フッ素塗布・むし歯の処置

    ミュータンス菌に感染している母親の口腔を清掃することで、子どもへの感染を減少させることができます。

感染経路は育児を担当するご家族や、周りの大人からと考えられています。

  • 離乳食を与える時期のスプーン
  • ミルクの熱さを確かめるために口にした哺乳瓶の乳首
  • スキンシップとしてのお子様へのキス

むし歯菌が母親からうつったという根拠は次のような研究から証明されています。

  • 母親と子どものむし歯菌の量が一致
  • 母親と子どものむし歯菌の血清型とバクテリオシン生産パターンが一致
  • 母親と子どものむし歯菌のDNA診断で菌種と遺伝子型が一致

ただし、感染を恐れてスキンシップまで避けるというのはお子様の情緒教育上デメリットが大きすぎます。感染に対して神経質になり過ぎるのではなく、お母様を含めたご家族の口腔内の菌の数を減らし、より良い菌の割合が高まるよう歯科医院でのプロフェッショナルクリーニングや検診など専門家のサポートを受けましょう。これらのことは、むし歯予防に重要だといえます。お母様だけでなく、おばあ様、おじい様の歯周病ケアも重要ですよ。

むし歯菌の量を減らすためにはどうしたらよいのでしょうか?

むし歯予防には生活習慣を改善することが重要です。

  • 砂糖の制限
  • 細菌が停滞しやすい部分を少なくする
  • むし歯の早期治療や歯と詰め物との間に隙間がある場合には早めに治療を受ける
  • 適切なブラッシングを行い、デンタルフロスを使用する
  • フッ素入り歯磨き粉を使用する
  • 歯科医院でPMTC(衛生士が歯石除去・歯面清掃・フッ素塗布などを行います)を定期的に受ける

むし歯菌の量が減るとむし歯になりにくい環境ができます

むし歯菌であるミュータンス連鎖球菌を悪玉菌とすると、サリバリウス菌やサンギス菌などの細菌は善玉菌で、むし歯をつくりません。
この善玉菌が歯が出てきた時に歯の表面に付着していると、後から悪玉菌のミュータンス連鎖球菌が入ってきても歯面に接近できなくなります。逆に悪玉菌のむし歯菌が先に歯面に付着してしまうと、善玉菌の歯面への付着を妨げてしまいます。
そのため、お母様や周りの大人の方からお子様に感染する細菌の種類が、重要な意味をもちます。
ミュータンス連鎖球菌の量が少なく、善玉菌を多く持った大人からはその環境がお子様にうつりやすく、むし歯になりにくい環境ができます。保護者様の善玉菌がお子様にうつると、むし歯になりにくいと言えます。

ホームケアと定期検診の
重要性

ご家庭での生活習慣が重要ですので、日頃からご家族でむし歯菌を少なくする努力をしましょう。

  • 痛みが無くてもむし歯は早めに治療しましょう
  • 歯科医院で定期的な歯の掃除(PMTC)や検診、フッ素塗布などを受け、歯の健康を保つために衛生士や歯科医師など専門家のサポートを受けましょう

受診時のお願い

来院時には母子手帳をご提示ください

産婦人科医から注意を受けていることがあれば、些細なことでも必ず担当歯科医師へお伝えください。
また、診療はできるだけ楽な姿勢で受けていただけるよう配慮しております。体調や気分が悪くなった場合も無理はせず、すぐにスタッフへお伝えください。

当院は小さなお子様と
一緒に
安心して通える
歯科医院です

当院では資格を持った保育士による
無料託児サービスを行っております(予約制)

小さなお子様がいらっしゃって治療に来られるのをためらわれている保護者様。保護者様の治療の際に幼稚園教諭・保育士資格をもったスタッフが大切なお子様をお預かりしますのでご安心くださいませ。
お子様の心配がないので、お母様はしっかりと治療に専念していただけます。
※資格のあるスタッフがお休みの場合は、他のスタッフが大切にお預かりします。

予約制 無料託児サービス

よくある質問

Q

妊娠中は歯周病になりやすいというのは本当ですか?

A

妊娠中はホルモンバランスの変化により、唾液の分泌量が減ったり、炎症性物質の活動が活発になったりします。これにより、歯周病になりやすいといわれております。また、つわりの期間中は、歯ブラシによる嘔吐反射や歯磨き粉のニオイに嫌悪感を覚えるなど、歯磨きをする頻度が低下し、歯周病のリスクが高まる可能性もあります。

Q

妊娠中にレントゲン写真を撮っても大丈夫でしょうか?

A

歯科でレントゲン撮影する場所はお口であり、お腹から遠いため妊婦さん・胎児への影響は非常に小さいと考えられています。当院では、放射線予防シートを用いて撮影するなど、安全面に最大限の配慮に努めております。

Q

歯科医院で処方された薬は、飲んでも大丈夫ですか?

A
妊娠中は薬の使用を控えることが基本です。必要になる場合は処方いたしますが、当院は安全を重視しており、必要に応じて産婦人科とも連携します。