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MIH(Molar Incisor Hypomineralization)とエナメル質形成不全

エナメル質形成不全という言葉をご存知でしょうか?

 

小児歯科に従事する者にとっては大変なじみの深い疾患ですが、意外と知られていないかもしれませんね。

 

まず、エナメル質とは

エナメル質は歯の一番外側を覆っている表面の硬い層のことで、その中に象牙質や歯髄といった組織があってエナメル質に守られています。エナメル質は人間の体の中で最も硬い組織です。

 

そして、エナメル質形成不全症は、

エナメル質形成不全症の歯はエナメル質がもろく、透明感のない白色や黄色をしていて重症のものでは早期に崩れてくるものもあります。

 

原因は多岐にわたり遺伝性のもの、後天的要素によるものどちらもあり、後天的な原因としては乳歯の時の外傷や、虫歯による感染の影響や、母体の栄養障害、内分泌異常、感染、代謝異常、特定薬物の長期継続投与などでもエナメル質形成不全が起こります。

 

そしてMIH

第一大臼歯と切歯(前歯)に限局してエナメル質形成不全が発症し、左右非対称なものをMIH(Molar Incisor Hypomineralization)といいます。MIHを発症する原因はまだ特定されていません。

前歯に起これば目立つところですから、お子さんでも審美的なコンプレックスになることもありますし、また第一大臼歯の場合は早期に大きな虫歯のようになって崩れてしまい、そこから坂を転げ落ちるように治療を繰り返し歯の寿命を縮めることにもなりかねません。

 

エナメル質形成不全歯は虫歯になりやすく、進行も早いため、歯科医院での継続的な検診で早期にエナメル質形成不全を発見すること、歯科医師歯科衛生士の適切なアドバイス(歯磨き粉の選定やブラッシング方法)とフッ素塗布を含めた経過観察をお勧めいたします。