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歯周病治療を続けても改善しないのはなぜ?ブルーラジカルという新たな選択肢

「歯周病治療に通っているのに、歯ぐきからの出血が続いている」「何度も歯石を取っても、また同じ場所が腫れてしまう」。治療を続けているのに変化を感じられないと、このまま同じことを繰り返してよいのか不安になると思います。

先に結論をお伝えすると、歯周病が改善しないときに必要なのは、同じ処置をただ繰り返すことではありません。歯周ポケットの深さ、出血、残っている歯石、歯槽骨の状態、噛み合わせ、全身状態などを再評価し、改善を妨げている原因に合った治療へ進むことが大切です。

ブルーラジカルP-01は、歯周ポケット内の殺菌とスケーリングを同時に行う歯周病治療用医療機器です。歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットや炎症が残る場合に、新たな選択肢となることがあります。ただし、どのような歯にも使用すれば改善する治療ではなく、適応の判断には検査が必要です。

この記事では、歯周病治療を続けても改善しない主な理由、再評価で確認する項目、検査結果ごとの次の治療、ブルーラジカルが選択肢となるケースについて、松阪市の林歯科医院がわかりやすく解説します。

歯周病治療を続けても改善しない5つの理由

歯周病治療を受けているのに症状が残る理由は、一つとは限りません。歯周ポケットの奥に原因が残っていることもあれば、生活習慣や全身状態、噛み合わせなどが重なっている場合もあります。

「何度も歯石を取ったから、これ以上できることはない」と考える必要はありません。反対に、治療方法を変えれば必ず改善するとも限りません。まずは、どこに問題が残っているのかを整理することが出発点です。

歯周ポケットの奥に細菌や歯石が残っている

歯周病が進行すると、歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットが深くなります。深い部分は歯ブラシが届かず、歯科医院で使用する器具でも歯根の形や歯石の付き方によっては、処置が難しくなることがあります。

歯周ポケットの奥に細菌のかたまりや歯石が残れば、表面の歯ぐきが一時的に落ち着いても、出血や腫れを繰り返すことがあります。特に奥歯の根が分かれている部分、歯並びが重なっている部分、被せ物の縁などは、汚れが残りやすい場所です。

毎日のセルフケアでプラークを落としきれていない

歯科医院で歯石を取り除いても、プラークは毎日新しく付着します。歯と歯ぐきの境目、歯と歯の間、奥歯の内側などに磨き残しが続くと、処置した部位にも再び炎症が起こりやすくなります。

大切なのは、歯磨きの回数だけではありません。歯ブラシの当て方、フロスや歯間ブラシの選び方がお口の状態に合っているかを確認する必要があります。歯間ブラシは大きすぎても小さすぎても、十分な清掃効果を得にくくなります。

喫煙や糖尿病などのリスク因子が影響している

喫煙は歯ぐきの血流や免疫機能に影響し、歯周病を進行させる要因になります。見た目の腫れや出血が目立ちにくい一方で、歯を支える組織の破壊が進んでいることもあるため注意が必要です。

糖尿病があり、血糖値が安定していない場合も、感染に対する抵抗力や傷の治りに影響することがあります。歯科での処置だけを続けるのではなく、必要に応じて医科と連携しながら全身状態を整えることが重要です。

噛み合わせや被せ物など局所的な原因が残っている

一部の歯に強い力が集中していると、炎症によって弱くなった歯周組織へさらに負担がかかります。歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせのずれがある場合には、歯周病の治療と並行して力のコントロールが必要になることがあります。

合っていない被せ物や詰め物、歯根の破折、歯の根の先の炎症などが、歯ぐきの腫れや排膿に関係している場合もあります。このようなケースは、歯周ポケットだけを処置しても原因が残るため、むし歯治療や根管治療、被せ物の修正などを含めて考えます。

治療後のメインテナンスが途切れている

歯周病は、処置が終わった時点ですべて解決する病気ではありません。歯周ポケットが残っている部位や歯槽骨が減っている部位は、健康な状態の歯に比べて再び炎症が起こりやすいため、継続的な管理が必要です。

通院間隔が長く空いたり、ご自宅での清掃状態が変わったりすると、落ち着いていた歯ぐきから再び出血することがあります。これは必ずしも以前の治療が無意味だったということではなく、現在の状態に合わせて管理方法を見直す必要があるというサインです。

「改善していない」は再評価の結果で判断します

痛みや腫れがなくなったとしても、歯周病が十分に改善したとは限りません。反対に、治療直後に違和感が残っていても、歯周組織が落ち着く途中である場合があります。患者さまの感覚だけでなく、歯周基本治療後の「再評価」によって治療結果を確認します。

歯周ポケットの深さと出血

専用の器具を歯と歯ぐきの間に入れ、歯周ポケットの深さを測ります。同時に、検査時の出血や膿の有無も確認します。深い歯周ポケットが残り、触れたときに出血する部位は、炎症が続いている可能性があります。

お口全体が同じように悪いとは限りません。改善した場所と炎症が残った場所を分けて把握することで、必要な部分だけ次の治療へ進めます。

レントゲンで確認する歯槽骨と歯根

レントゲンや必要に応じて歯科用CTを用い、歯を支える歯槽骨がどの程度残っているか、どのような形で失われているかを確認します。骨が水平的に減っている場合と、歯の一部に沿って深く失われている場合では、検討する治療が異なります。

歯根が割れていないか、根の先に炎症がないか、むし歯が歯ぐきの深い位置まで進んでいないかも重要です。歯周病以外の原因が見つかれば、その原因に対する治療を優先します。

歯の揺れ・噛み合わせ・清掃状態

歯の揺れが強い場合は、炎症だけでなく、支える骨の量や噛む力の影響を確認します。特定の歯だけ強く当たっている場合には、噛み合わせの調整や歯を一時的に固定する処置を検討することがあります。

磨き残しの位置と量も再評価します。十分に磨けている場所まで同じ指導を繰り返すのではなく、汚れが残っている場所に絞って道具や磨き方を調整することが大切です。

再評価の結果によって次の治療は変わります

歯周病治療後に何が残っているかによって、次に行うことは異なります。患者さまが「自分の場合はどうなるのか」を把握しやすいよう、主な結果と治療の考え方を整理します。

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再評価の結果 考えられる状態 次に検討すること
磨き残しが多い 毎日のプラークコントロールが安定していない 歯ブラシの当て方、フロス・歯間ブラシの種類を見直し、歯周基本治療を継続する
深いポケットと出血が残る 歯周ポケット内に歯石や細菌が残り、炎症が続いている可能性がある 再度の歯石除去、ブルーラジカル、歯周外科治療などから適した方法を検討する
部分的に深い骨欠損がある 歯槽骨が垂直的に失われ、歯周組織の支えが少なくなっている 欠損の形が適応条件に合えば歯周組織再生療法を検討する。ブルーラジカルと段階的に組み合わせる場合もある
歯の揺れが強い 炎症、骨吸収、噛み合わせなど複数の影響が考えられる 炎症への治療に加え、噛み合わせの調整や固定、歯の保存可能性を検討する
歯根破折や重度の骨吸収がある 感染源を除去しても、長期的な保存が難しい可能性がある 無理に残すリスクも含めて説明を受け、抜歯や欠損を補う治療を検討する

大切なのは、治療名を先に決めることではなく、再評価で残った問題に合う治療を選ぶことです。同じ「歯ぐきから血が出る」という症状でも、セルフケアの改善で対応できる方と、歯周ポケットの奥への追加治療が必要な方では治療計画が変わります。

ブルーラジカルが新たな選択肢となるケース

歯周基本治療後も深い歯周ポケットや出血が残っている場合には、歯周ポケットの奥に対する追加治療を検討します。ブルーラジカルP-01も、その選択肢の一つです。

殺菌とスケーリングを同時に行う治療

ブルーラジカルでは、専用の3%過酸化水素水に青色レーザーを照射し、「ヒドロキシルラジカル」と呼ばれる反応性の高い物質を発生させます。歯周ポケット底部を殺菌しながら、超音波振動によって歯根表面の歯石やプラークなどを取り除きます。

従来の歯石除去に殺菌の働きを組み合わせられることが特徴です。症例によっては、歯ぐきの切開や縫合を伴わずに治療を進められる可能性があります。

歯周炎ステージⅢ・Ⅳが承認上の対象

ブルーラジカルP-01は、歯周炎ステージⅢ・Ⅳに該当する患者さまの治療において、歯周ポケット底部の殺菌とスケーリングを同時に行う医療機器として承認されています。

ステージは歯周ポケットの深さだけで決めるものではありません。歯槽骨の吸収、歯を失った本数、噛む機能への影響、治療の複雑さなどを含めて診断します。進行した歯周病であっても、全身状態や歯の保存可能性によってはブルーラジカルをご案内できない場合があります。

ブルーラジカルを検討する可能性がある状態

  • 歯周基本治療後も深い歯周ポケットが残っている
  • 同じ部位の出血や腫れを繰り返している
  • 歯周炎ステージⅢ・Ⅳと診断されている
  • 外科処置以外の方法も含めて検討したい
  • 治療後のセルフケアと通院を継続できる

ブルーラジカルでは解決できない場合もあります

ブルーラジカルは、失われた歯槽骨を直接再生する治療ではありません。歯根が割れている、歯ぐきより深い位置までむし歯が進んでいる、歯を支える骨がほとんど残っていないといったケースでは、殺菌と歯石除去を行っても歯の保存が難しいことがあります。

ペースメーカーを使用している方、無カタラーゼ症の方、光線過敏症の方など、医療機器の使用上ご案内できないケースもあります。持病や服用中の薬がある方は、受診時に必ずお伝えください。

ブルーラジカル治療は保険適用外の自費診療です。検査によって適応を確認し、治療内容や費用の説明を受けたうえで検討します。

ブルーラジカルだけで治療が終わるわけではありません

ブルーラジカルは、歯周病治療のすべてを置き換えるものではありません。お口全体の環境を整える歯周基本治療、必要に応じた外科治療や再生療法、治療後のメインテナンスまで含めて治療計画を立てます。

歯周基本治療を行ったうえで適応を判断します

まず、ブラッシング方法の確認、歯石やプラークの除去、むし歯や合っていない被せ物の確認などを行います。基本治療によって歯ぐきが落ち着けば、追加の治療を行わずにメインテナンスへ移れることもあります。

基本治療後に再評価し、深い歯周ポケットや出血が残った部位を特定します。その結果をもとに、ブルーラジカル、歯周外科治療、再生療法などから、必要な治療を選びます。

歯周組織再生療法と組み合わせることもあります

症状や骨の失われ方によっては、ブルーラジカルと歯周組織再生療法を段階的に組み合わせることがあります。まずブルーラジカルによって歯周ポケット内の殺菌と歯石除去を行い、炎症の改善を図ります。

その後、治療部位を再評価し、再生療法の適応がある場合には、失われた歯槽骨や歯周組織の再生を目指す治療へ進みます。殺菌と炎症の改善を目指す治療と、失われた組織の再生を目指す治療では役割が異なります。それぞれの役割を生かすコンビネーション治療が、有効な選択肢となる場合があります。

すべての骨欠損に再生療法を行えるわけではありません。骨の欠損の形、残っている歯周組織、歯の揺れ、清掃状態、全身状態などを確認して判断します。

治療方法を見直した方がよい受診の目安

歯周病治療は、数回の通院ですぐに結果が出るとは限りません。一方で、同じ症状を繰り返しているのに、現在の状態や次の治療について説明がないまま処置だけが続いている場合には、一度詳しい検査を受けることをおすすめします。

詳しい検査を検討したいサイン

  • 歯石を取っても同じ場所から出血や膿が出る
  • 歯ぐきの腫れを何度も繰り返している
  • 歯の揺れが以前より強くなっている
  • 歯周ポケットや骨の状態について説明を受けていない
  • 抜歯と言われたが、保存できる可能性も確認したい
  • 歯周外科以外の治療方法も含めて相談したい

受診時には、これまでどのような治療を受けたか、どの部位の症状が続いているか、持病や服薬があるかを伝えてください。過去のレントゲンや検査結果が手元にある場合は、治療経過を確認する資料になります。

必要なのは、ブルーラジカルを受けられる医院を探すことだけではありません。歯周病の進行度を診断し、基本治療から追加治療、メインテナンスまで一貫して考えられる歯科医院へ相談することが大切です。

歯周病治療とブルーラジカルについてよくある質問

歯周病治療を続けても改善を実感できない方から、ご相談いただくことの多い質問をまとめました。

Q. 歯石を取っても出血が続くのは治療が失敗したからですか?
A.

出血が続く理由は、歯周ポケットの奥に歯石や炎症が残っている、毎日の清掃が十分でない、治療後の組織がまだ安定していないなどさまざまです。治療の失敗と決めつけず、歯周ポケットの深さや出血部位を再評価してもらいましょう。

Q. ブルーラジカルなら歯周病は治りますか?
A.

ブルーラジカルを行えば、すべての歯周病が改善するわけではありません。歯周ポケット内の殺菌とスケーリングを同時に行う治療ですが、失われた骨を直接再生するものではなく、歯根破折など別の原因も治せません。検査によって適応を判断し、歯周基本治療やメインテナンスと組み合わせます。

Q. 今の歯科医院で治らない場合は転院した方がよいですか?
A.

すぐに転院が必要とは限りません。まず、現在の検査結果、これまでに改善した点、残っている問題、次に予定している治療について担当の先生へ確認しましょう。説明を受けても不安が残る場合や、別の治療方法も知りたい場合には、歯周病を専門的に診る歯科医師へ相談する方法があります。

Q. ブルーラジカルは保険適用ですか?
A.

ブルーラジカル治療は保険適用外の自費診療です。歯周病の検査や歯周基本治療など、保険診療の範囲で行う処置とは費用の扱いが異なります。治療前に、必要な検査、治療する歯の本数、費用について説明を受けてください。

まとめ|改善しない原因を調べ、必要な治療へ進みましょう

歯周病治療を続けても出血や腫れが残る場合には、歯周ポケットの奥に残る歯石や細菌、セルフケア、喫煙や糖尿病、噛み合わせ、被せ物、歯根の状態などを確認する必要があります。

治療後の再評価によって何が残っているかを把握すれば、次に必要な治療が見えてきます。磨き残しが多ければセルフケアと歯周基本治療を見直し、深い歯周ポケットと炎症が残っていればブルーラジカルや歯周外科治療、骨の欠損状態によっては歯周組織再生療法を検討します。

ブルーラジカルは、歯周ポケット内の殺菌とスケーリングを同時に行える治療ですが、すべての歯を残せる治療ではありません。症状によっては、ブルーラジカルで炎症の改善を図ったあとに歯周組織再生療法を行うコンビネーション治療が選択肢となる場合もあります。

林歯科医院では、日本歯周病学会の歯周病専門医・指導医が、歯周ポケット、歯槽骨、歯根、お口全体の清掃状態を確認し、現在の状態に合った治療方針をご説明しています。「治療を続けているのに変化を感じられない」「ほかに治療方法がないか知りたい」という方は、まず詳しい検査を受けて、改善を妨げている原因を確認しましょう。

この記事の執筆・監修者

歯科医師:林 尚史

林歯科医院 院長 林尚史

<経歴>

  • 1988年 福岡県立九州歯科大学 卒業
  • 1992年 林歯科医院 開設

<資格・所属学会>

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