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歯科情報のご提供

乳歯を抜かなければならなくなったら

乳歯の重要な働きの一つは健全な永久歯の歯列、咬合を作り上げることです。そのための第一歩は乳歯の虫歯の予防が重要であることは皆さんもよくご存知だと思います。そして乳歯が永久歯と自然交換するまで正常に口腔内で機能することが望ましく、乳歯だからと言って安易に抜歯することは避けなければなりません。

しかし乳歯は永久歯と比較して虫歯になりやすく、またその進行も早いため、乳歯虫歯が放置されたりして抜歯に至るケースも多く存在します。このように実際の臨床においては、乳歯の抜歯を行うことも残念ながらいまだにあります。

乳歯は永久歯と自然交換するまで機能を発揮することが望まれますが、不幸にして乳歯の早期喪失があると、隣の歯の欠損部への移動や対合歯の飛び出し、永久歯がおかしな場所へ生えてくるなどの問題が生じます。乳臼歯が早期に喪失した症例においては、欠損部本来のスペースを前後的および垂直的に保持する必要があり、そのために保隙装置・スペースメインテナーと呼ばれる装置を装着する必要があります。

保隙装置・スペースメインテナーとしては、クラウン(バンド)ループ、ディスタルシュー、リンガルアーチ、Nanceのホールディングアーチ、小児義歯などがあり、欠損部位や歯数、永久歯の萌出状態など症例に応じて使い分ける必要があります。このうち2014年4月の健康保険の改正によりクラウンループやバンドループが保険で治療できることになりました。