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歯科情報のご提供

正中過剰歯

上の前歯部は過剰歯(余分な歯)の好発部位で正中離解(すきっ歯)、歯列不正、永久歯の萌出の遅れや好ましくない場所からの萌出などの原因になります。

前歯部過剰歯の特徴として、60〜80%が埋伏過剰歯(骨の中に埋まり込んで生えてこない歯)で、本来の歯が生える向きの反対に向いている(逆生)が66〜77%と多く、男女比では男児に多く見られ、埋伏歯の位置は唇側より口蓋側(上顎の裏・舌のある方)に多いなどが挙げられます。

過剰歯の処置方針としては、原則的には抜歯ですが隣在永久歯に影響を及ぼさないような場合には経過観察することもあります。臨床上最も悩むのは過剰歯の抜歯時期です。他の歯と同じ方向を向いていて自然に生えてくる場合には周囲への影響がなければ口腔内への萌出を待って抜歯します。

逆生の埋伏歯の場合、永久歯の卵の位置関係や永久歯の根の完成度などを考慮して抜歯時期を慎重に検討し、永久歯の形成に障害を与えないようにしなければなりません。4〜5歳児の乳歯列期だと、埋伏歯が永久歯胚より歯冠側に位置し、口蓋歯槽骨の浅層に位置することが多く比較的容易に抜歯することができます。しかし実際は8歳前後の混合歯列期に正中離解や永久歯の萌出遅延を主訴に見つかることが多く、その場合は抜歯操作による永久歯歯根の発育障害を引き起こさないよう十分に注意する必要があります。また明らかな影響が認められない場合は、永久歯の歯根完成を待って抜歯することもあります。

正中過剰歯は歯並びと関係する上、抜歯となれば繊細な外科処置が必要です。矯正と外科の両方ができる医院に相談されるか、矯正歯科に相談し、そこから総合病院の口腔外科を紹介してもらうのが良いでしょう。

 

1の萌出遅延と先の尖った変な歯が生えてきたとこを主訴に来院されました。

右上1は萌出しましたが一以上、捻転は解消されませんでした。