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離乳食から固形食へ

こんにちは!松阪市の歯医者 林歯科医院 歯科顎関節症専門医の濵田です。

私は食べることが大好きです。母から口に入れられると何でも食べる子だったと小さい頃の私の様子を聞いています。ですが、唯一、口からぺっと吐き出す食べ物があったそうです。それは大根おろしです。私本人そんな記憶は全くないわけで…。

 そこで乳幼児期の食事について興味が湧いたので調べてみました。
離乳食の開始時期は、昔は生後4カ月に始めた風潮がありましたが、現在では子供の発達に合わせるという考え方が主流となっています。もちろん早産・低出生体重のお子様への配慮も必要です。生後5、6カ月から開始されるのが多いそうです。
離乳開始サインは、①首の座りがしっかりしている②支えると座れる③授乳間隔が3~4時間空いている④食物に興味を示す⑤スプーンなどを口に入れても舌での押し出しが少なくなる、です。

 

 離乳初期は母乳やミルクでのエネルギー摂取が主体でもよいですが、生後8~9カ月頃になると摂取すべきエネルギーが増え、母乳やミルクでは栄養素が不足します。7~8カ月頃になると母乳だけでは鉄分が足りず、貧血になります。月齢に応じて赤身の魚や肉、レバー、卵、大豆などを取り入れることが大切です。離乳食の素材として鉄分を補うためにフォローアップミルクを使用することもできます。

 離乳の始め方のポイントとしては、①機嫌や健康状態のよいときに始める②午前中の授乳前に与える③初めて与える食品は1日1品1さじから始める④なめらかにすりつぶした状態のものから始める⑤つぶし粥から始め、すりつぶした野菜なども試す⑥慣れてきたら、つぶした豆腐・白身魚・卵黄などを試す⑦食べさせるときは、少量を下唇の上に載せる(上唇になすりつけない)です。
 忙しくてなかなか時間がないときは、ベビーフードを利用するのも良いでしょう。与える前に、味や固さの確認と温める場合は温度を確かめ、子どもの食べ方から食形態が適切かを確認しましょう。離乳食づくりの参考にもなります。2回目食以降は、品名や原材料を確認し、主食、主菜、副菜、果物が揃う食事内容にしていきましょう。また開封後の保存には注意して、食べ残しや作りおきは与えないようにしましょう。 

 

 1歳前半に第一乳臼歯が生えてくると歯を使った咀嚼の練習が始まります。生え始めは歯ぐきでつぶせる固さの食べ物や煮込んだりして柔らかくしたものを与えます。上下第一乳臼歯がしっかり嚙み合うようになったら、段階的に固さのある食べ物に慣れるようにしていきます。ただし、咬合面が小さく、咬合力も低いため、嚙みつぶせてもすりつぶしが出来ません。ひき肉はつなぎを加えて肉団子にするなど調理を工夫して食べやすくしましょう。第二乳臼歯が生えて噛み合うようになる2歳半から3歳を過ぎてから、少しずつ噛みごたえのある食べ物を少しずつ食事に取り入れていきましょう。

 

 6~7歳になると偏食が固着してくるといわれています。幼児期後半になってからの固いものを食べない、よく噛まないなどの食べ方は、むし歯や咬み合わせなどの歯科的問題から生じることもあれば、咀嚼の経験不足や食べる意欲・好き嫌いなどが関係していることもあります。お子さんの口の中の状態や、咀嚼の様子を確認して、生活リズムや食事環境などを見直してみることも大切です。もしお困りのことがございましたら、まずはかかりつけ歯科医院で相談してみられてはいかがでしょうか。

 

参考文献;食べる機能・口腔機能の発達Q&A 医学情報社