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患者様に向けた
歯科情報のご提供

John Mew先生講演会に参加してきました

こんにちは!松阪市の歯医者 林歯科医院勤務医の鈴木です。

 

本日は先日参加したJohn Mew先生の講習会に参加した内容をシェアしたいと思います。
今回の講師のJohn Mew先生はイギリスの子ども矯正の先生で、現代の子どもたちの顎の発育に危機感を覚え、独自に装置の開発や治療を長年にわたって行ってきた伝説的な存在の歯科医師です。

 

現在齢94歳を迎えられて足は不自由ながらも1番の宝である頭と手先は健在で、ストレート(矯正器具を削ったりする機械)も巧みに駆使しつつ、ハンズオンコースで素晴らしいレクチャーをしていただきました。

 

その講演の中で印象的であったのが、Mew先生がよくおっしゃる名言
“There is reason for everything.”(全ての事象には原因がある)という言葉です。

 

なぜ歯並びが悪いのか?そこにはその根本原因となる様々な理由があり、それを突き止めて治療を行うことの重要性を度々叫ばれていました。現代では子どもたち5人中4人の歯並びが悪いのが実情です。これは日本だけでなく世界中で起こっていることで、”Malocclusion Pandemic”と呼ばれ、現代において顎の発育に関して異常事態が起こっていると言われています。

 

では、その理由は何でしょうか?全ては解明されていませんが、現代生活の様々な変化によっておこっていると言われています。そのなかで一番大きな変化が”食事”です。現代では過去に比べて軟食化が進み、昔よりも柔らかいものを摂取する人が増えています。Weston Price先生の著書”食生活と身体の退化”においてもこのことは語られており、文明の近代化に伴い急速に不正咬合(歯並び異常)がおこるようになったとあります。

 

現在でも昔ながらの生活を営んでいる先住民や、モンゴルにおいても遊牧民の方々は虫歯も歯並び異常もほとんどいないとのことですが、同じモンゴルでも都心の子どもたちは日本の子どもと同じようです。とはいえ現代の食生活を我々が捨てることはできませんので、一つ取り入れることができるポイントとしては前歯を使うことです。前歯で骨付き肉やきゅうりスティック、その他のものを噛みちぎる動作により上あごの骨が前方に成長し、歯並びに良い影響が与えられると言います。(硬すぎる必要はありません)
全てをこのような食形態にする必要はありませんが、意識的にこのような食品を取り入れることは良いかもしれませんね。あとは食事中は水分をとらない、足は地面についた状態で3つの直角を作る、舌をスポット(上の前歯の裏の部分)につけて鼻で呼吸するなど様々なポイントはありますが、その話は別の機会にさせていただきたいと思います。今回の学びから得た内容を日頃に臨床にも活かしたいと思います。

 

林歯科医院勤務歯科医師
日本臨床歯周病学会認定医
鈴木隆太郎