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歯科情報のご提供

閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)について

睡眠時無呼吸症候群についてご紹介したいと思います。

睡眠時無呼吸症候群は、平成14年2月26日に山陽新幹線で発生したJR西日本の居眠り運転トラブルから、社会的にも認知されるようになりました。

睡眠時無呼吸症候群にはその発生メカニズムから、呼吸筋活動が停止する《中枢型》と、上気道が閉塞する《閉塞型》とに分類されます。臨床的にほとんどの症例は後者なので、今回は閉塞型睡眠時無呼吸症(OSA)について紹介したいと思います。

 

OSAの原因は、上気道(のど)の閉塞であり、肥満、アデノイド肥大、口蓋扁桃肥大、大きい舌などが挙げられます。また、舌が喉の方に落ち込みやすい、下顎が小さい方もOSAになりやすいといわれています。

欧米の患者と比べ、日本人の患者の特徴として挙げられるのが、肥満ではないのに発症するケースが多いということです。一昔前では、睡眠時無呼吸症候群は体格の良い、肥満体型の男性がかかる病気というイメージでしたが、実はそんなことは全くなく、女性などの患者様も多くいらっしゃいます。

代表的な症状は、いびき、日中の疲労感、昼間の急激な眠気などがありますが、それに加えて高血圧、心不全、糖尿病とも関連することはあまり知られていません。

OSAはまだ『いびきや息が止まる体裁の悪い病気』『自分だけなら何も困らない病気』と誤解されている面もありますが、命に関わることもある重大な疾患です。

治療方法としては、医科で用いる大きな鼻マスクのような装置を終夜用いるCPAPというものと、歯科で作成するOSA専用マウスピースであるOAが代表的です。(このマウスピースは歯ぎしり用などとは異なるものです。)

まずは耳鼻咽喉科や循環器内科などの医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。そのなかでOAの適応となる患者様には、歯科医師が装置を作成します。

※OSA用マウスピースは医師の診断と紹介状がない限り作成できません。

 

以下のリストがOSAnoチェック表になります。心当たりのある方は早めに医療機関を受診しましょう。

 

《OSAのためのSTOP-Bangスコア》

※3項目以上陽性の方は、早めの検査をお勧めします。

 

・Snoring いびき

・Tiredness during daytime 日中の疲労感

・Observed apnea 周囲からの無呼吸の指摘

・high blood Pressure 高血圧

・BMI(体重kg÷身長m÷身長m)が35以上

・Age(年齢)が50以上

・Neck circ.(首回り)が40㎝以上

・Gender(性別)が男性

 

 

歯科医師 鈴木