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歯磨きとフロス、どっちが先か知ってる?

こんにちは!松阪市の歯医者 林歯科医院の勤務医鈴木です。

タイトルにもありますが、皆さんは歯ブラシの他に、どんなアイテムを使って歯磨きをしているでしょうか?虫歯予防にはフロスは必須で、フロスを忘れててたまにしかやっていなくて、隣接面(歯と歯の間)に虫歯を作ってしまった苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

基本的にフロスは1日1回、全ての歯に通すのが基本になりますが、最低限週の半分以上はやるように心がけるといいでしょう!しかし、毎日フロスやってるよ!という方の中にも、虫歯になる方はいます。あとは何を改善すべきなのでしょうか?

 

まずは食生活です。健康のための黒酢ドリンク、柑橘系のドリンクなどの酸性食品や、炭酸、あとはR1やヤクルトなどの乳酸菌飲料は、歯の歯の間まで浸透してしまい、虫歯になりやすい飲み物として代表的なものになります。

歯科医師の立場としては、まずはこういったものを摂取しないことが一番オススメですが、何らかの理由で摂取が必要な方に関しては、虫歯ハイリスクである認識を持って頂いて、より積極的なフロスの使用が必要でしょう。

 

そして2つ目が、今回のブログテーマでもある、『歯ブラシとフロスどっちが先か』という内容に関してです。勘のいい読者の方はお気づきかもしれませんが、実は歯ブラシが先ではないのです!正しい順番は、【まずフロス、その後歯ブラシ】となります。これは、2018年にMazhariらが報告した論文が根拠で、フロスをした方が汚れも綺麗だし、なんと歯に行き渡るフッ素の濃度も高いことが報告されました!この論文がでるまでは.正しい歯ブラシの順番は判明していなかったのですが、2018年になり、これが初めてわかったのです。これに関して言えば、汚れを落とした後にフッ素入りの歯磨き粉を使用することで、フッ素の行き渡りやすさが改善したのだろうと推測されます。(埃まみれの床にワックスがけをしても綺麗にいかないように、汚れがついてる状態でフッ素入り歯磨き後を使用しても、フッ素は浸透しないのです。)

 

これらの論文から、私は自分の歯磨きと自分の子供たちの歯磨きは、以下の順番でしています。

①フロス→②歯磨き粉なしで歯磨き→③しっかりうがい(浮かせた汚れを吐き出す)→④フッ素入り歯磨き粉を使用して再度磨く→⑤うがいはしない。(またはお猪口一杯分の少量の水で軽くゆすぐ)。

イエテボリ大学の虫歯予防の考え方、2×4 MethodとMazhariの論文を応用した方法したDr.鈴木流のやり方ですので、是非トライしてみてくださいね!

 

今日の食生活は多種多様で、昔は歯ブラシだけでも虫歯にならなかった人でも、現在はそうではなくなってしまいました。歯ブラシだけで普通に磨いてたら、普通に虫歯になる時代です。フロスは面倒臭いですが、虫歯にならないためのすごくコストパフォーマンスが良い方法なので、習慣化するまで頑張って取り組んでいきましょう!フロスの扱い方や選び方がわからない方は、当院の歯科衛生士までお気軽にご質問くださいね。本日はフロスの順番に関してのお話でした。最後までご視聴いただきありがとうございます。

引用文献
Mazhari F, Boskabady M, Moeintaghavi A, Habibi A. The effect of toothbrushing and flossing sequence on interdental plaque reduction and fluoride retention: A randomized controlled clinical trial.J Periodontol. 2018 Jul;89(7):824-832.