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口腔内の怖い病気
みなさまは「口腔ガン」という病気をご存知でしょうか?
口腔ガンとはその名の通り、口腔内(口の中)にできるガンのことです。
ガンといえば胃ガン、肺ガン、大腸ガンなど体の様々な場所に発症するガンを聞いたことがあると思います。ガンというものは、正常な細胞が何らかの原因によりガン細胞化し、増殖することで腫瘍が形成されるものです。部位や人によってなりやすさは異なりますが、誰にでも、どこにでも起こりえる病気です。
口腔ガンは全体のガン発症数のうち約3%を占めると言われており、年齢分布では60〜70代が最も多いですが20代の患者様もいます。
口腔ガンの中で最も多いのは舌癌(ベロのガン)で、口腔ガンの4割ほどです。他にも歯肉ガン、頬粘膜ガンなど、口の中のあらゆるところに発症する可能性があるのが口腔ガンです。
症状としては、該当する部位の痛み、大きな腫れや出血、口内炎のようなものが1ヶ月以上治らないなどがシグナルですが、これは歯周病や通常の歯科治療で治る根尖病巣などでも起こる症状です。
なので、患者様自身での判断はなかなか難しく、おかしいな?と思ったらまずは歯科医院への受診をお勧めします。
口腔ガンは他のガンと同様に誰にでも起こる可能性があり、なかなか予防は難しいのが現状です。ですが、他の部位に比べて特にたばこの影響を顕著に受けやすいことが特徴として挙げられます。
喫煙をする際にたばこの煙が直接触れるのが口ですので、喫煙される方は口腔ガンになりやすいと確かなデータでわかってるため注意が必要です。
さて、実際に口腔ガンと診断されてしまった場合の治療ですが、様々な選択肢があります。
まず1つ目は切除療法で、悪いところを全て切り取る治療法です。切り取ることで確かな治療効果がありますが、切除によって失った部位によっては発音、食事などに影響が出る場合もあります。
他の治療法には、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療などがあり、これらを併用することも多く行われています。
その治療の中でも薬物の種類、投与方法、放射線の種類、照射方法などによって様々あり、患者様ごと、病変ごとに一番適切なものを行います。
これらの治療は外科治療を行わないことが多いですが(外科もこれらの治療も併用する場合もあります)、抗ガン剤、放射線の様々な副作用と闘う必要があります。
口腔ガン自体の治療は総合病院や大学病院などの専門の医療機関で行いますが、そのファーストタッチは一般開業医院の歯科医師がすることも多いです。
定期検診などで当院にお越しの患者様にも目を光らせていますが、もし心配なことがあれば遠慮なくおっしゃってください。
今回は怖い話になりましたが、ほとんどの患者様は普通の歯科疾患であることが多いです。あまり心配しずぎず、心配になったらお気軽にご相談ください。
歯科医師 鈴木