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歯の豆知識
インプラントの歴史は古い
失った歯を人工の材料で補うことは、古くから行われてきました。
ヨーロッパでは、上の顎に鉄製のインプラントが埋まっている、紀元前2世紀から3世紀の古代ローマ時代の人骨が発見されています。
また紀元前7世紀のマヤ文明の遺跡にも、下の顎に貝で作られたインプラントが埋まっている人骨が発見されています。その後、金やエメラルド、サファイヤ、アルミニウムなど様々な素材のインプラント治療が行われてきました。しかしどれも長期的に噛めるものではありませんでした。この時すでにインプラント治療が行われていましたが、確実なものになったのは最近です。
1910年代に円筒型のインプラントが開発され、1930年代にスクリュー型、1940年代には螺旋型のインプラントが考案されました。
そしてついに現在のインプラントの礎が発見されたのです。
1952年、スウェーデンのペル・インクヴァール・ブローネマルク教授によって、金属のチタンが骨と結合することが発見されました。そしてチタンがインプラントに応用され、しっかりと骨と結合するインプラント治療が可能になりました。
1965年チタン製のインプラントの臨床応用が開始されました。
1980年代になり、インプラントの臨床結果が優れていることが成果中に知られるようになりました。
材質もいろいろあったのですが、いまではほぼチタン製のインプラントに統一されています。
形状もほとんどがスクリュータイプの歯根型インプラントに統一されていきました。
その後、表面性状や様々な改良が加えられ、臨床成績が向上しています。
現在10年後の生存率が90〜95%、15年の生存率が90%ぐらいです。
これは同じく歯がなくなった時の機能回復方法であるブリッジや入れ歯に比べるとかなり高く優秀な成績です。
歴史が古いインプラントですが、現在のインプラントは歯がなくなった時の機能回復の方法の第一選択といっても過言ではありません。
歯科衛生士 伊藤友美